「科学・技術」の記事一覧
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オープンハードウェア・イーサネットスイッチ開発の記録
2025-05-09 08:34
科学・技術この記事は、筆者が10年以上取り組んでいるオープンハードウェアのイーサネットスイッチ開発についての回顧と現状の報告です。最初の試作はFPGAベースで始まり、性能や予算の制約から試行錯誤が続きました。LATENTPINKという実験用プラットフォームを経て、現在はXilinxのKintex UltraScale+ FPGAを用いた本格的なスイッチLATENTREDの開発に進展。技術面だけでなく、試作・検証・生産設計までの詳細なプロセスが語られています。
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WebAssembly 2.0のコア仕様とは何か
2025-05-09 08:01
科学・技術WebAssembly(Wasm)は、安全でポータブルな低レベルコード形式であり、Web上での高性能なアプリケーション実行を可能にすることを目的としています。この記事では、2024年版のWasmコア仕様2.0を紹介し、設計目標、仮想命令セットとしての機能、安全性、型システム、スタックベースの実行モデル、バイナリおよびテキスト形式、エンベッダーとの関係など、詳細な技術的要素が解説されています。また、Web環境以外での応用やセキュリティへの配慮についても触れています。
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シーメンスの1980年マニュアルに6502の非公式命令が記載
2025-05-09 06:19
科学・技術1980年にシーメンスが発行したPC 100のアセンブラマニュアルに、6502プロセッサの“非公式命令”が明記されていたことが判明した。通常、これらの命令は文書化されておらず、趣味的探求の対象であったが、同マニュアルではオリジナルの研究成果として紹介されている。これらの命令はアセンブラで直接使用できず、.BYT命令を用いて記述する必要がある点も特徴的である。
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AIに必要なのは「検証する力」— 知識の自己評価の重要性
2025-05-09 05:10
科学・技術AI研究において、システムが自ら動作の正しさを判断できる能力、すなわち「検証」が極めて重要であるとする主張が提示された。従来の専門知識ベースのAIは複雑化と脆弱性に悩まされてきたが、自己検証が可能なシステムは信頼性と拡張性に優れる。検索型AIや強化学習のような手法においては、動作選択の正当性を内部で評価できることが成功の鍵であるとされる。
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LegoGPT:テキストから物理的に安定したレゴ設計を自動生成
2025-05-09 04:55
科学・技術LegoGPTは、テキスト入力から安定性と組立可能性を兼ね備えたレゴ構造物を生成する初のシステムである。物理的に安定な4.7万件以上のレゴ設計データを元に、大規模言語モデルを訓練。物理法則や組立制約に基づくフィルタリングを実装し、現実に組立可能な設計を出力する。デザインは人間またはロボットにより再現可能であり、教育や創造的なプロトタイピングに新たな可能性を示している。
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C++の型変換とオーバーロード解決の複雑さを解剖
2025-05-09 03:27
科学・技術C++のオーバーロード解決における「より適した(better)」変換の意味について、標準変換シーケンスと資格変換(cv-qualification)を中心に詳細な検討が行われています。ポインタの多重構造やnoexcept関数ポインタなどの例を通じて、変換ランキングや似た型の評価方法を整理し、曖昧なコンパイルエラーの理由や設計の背後にある意図を解明します。C++の型システムの柔軟性とその代償としての複雑さが浮き彫りになっています。
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USENIX ATC、50年の歴史に幕
2025-05-09 03:18
科学・技術先端計算システムの研究者らの交流の場として50年間にわたり続いてきたUSENIX Annual Technical Conference(ATC)が、2025年7月をもって終了することが発表されました。ATCはUNIXの進化やオープンソース技術の発表の場として数々の歴史的瞬間を支えてきましたが、専門分野別の会議に分化が進み、参加者が減少。今後はUSENIX SecurityやOSDIなどの後継カンファレンスを軸に活動を継続していく方針です。
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Starlink端末の構造とセキュリティを解析 DARKNAVYが調査報告
2025-05-09 03:03
科学・技術DARKNAVYがSpaceXの衛星インターネットサービス「Starlink」のユーザー端末(UTA)を分解・解析し、ハードウェア構成とセキュリティ設計についての調査結果を公表しました。解析ではカスタムSoCやセキュリティチップの搭載が確認され、ファームウェアにはテレメトリーデータを記録する機能も含まれていることが判明。SSH鍵の大量登録など、潜在的なセキュリティリスクも指摘されています。
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KDLドキュメント向けフォーマッタkdlfmt
2025-05-09 00:25
科学・技術kdlfmtは、KDLフォーマットのドキュメントを整形するためのコマンドラインツールで、Rust製パーサーkdl-rsの上に構築されています。CLI経由での使用や、npm・Cargo・Homebrew経由でのインストールが可能で、整形・検証・設定初期化・シェル補完など幅広い機能を提供しています。柔軟性と軽量性に優れており、KDLを利用するプロジェクトの品質向上に貢献します。
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fui:Cで作られたフレームバッファUIライブラリ
2025-05-08 22:05
科学・技術fuiは、C言語で記述されたTTYコンテキスト向けのフレームバッファ操作ライブラリで、複数レイヤーの描画、テキスト・図形の描画、キーボードやマウス入力、音声再生まで対応しています。libevdevとalsaを活用し、低レベルで直感的なUI開発が可能です。静的リンクでの導入も簡単で、ゲームやシステムツール開発に応用できます。サンプルにはアステロイド風ゲームも含まれています。
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Bento:シンプルに運用できる高機能ストリーム処理基盤
2025-05-08 21:30
科学・技術BentoはGo製のストリーム処理ツールで、KafkaやPubSub、S3など多様な入出力をサポートし、宣言的設定により複雑なETLパイプラインを簡素化します。データの変換や並列処理、ウィンドウ処理などに対応し、信頼性の高い処理と可観測性も備えています。静的バイナリで配布され、拡張も可能で、クラウドネイティブなデータ処理に適した設計となっています。
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注意機構の「なぜ」を深掘りする:LLM自作記 第13回
2025-05-08 21:06
科学・技術LLMを自作するブログシリーズの第13回では、自己注意機構の「なぜ」に焦点を当て、個々の注意ヘッドが実は単純なパターンマッチングであることを明らかにします。著者は、複数の注意層とマルチヘッド構成によって、情報が段階的に豊かになり、文脈理解が深まる仕組みを解説。また、従来の固定長ベクトルに代わり、入力トークン数に比例する柔軟な表現が得られるという利点についても述べています。
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PostgreSQLで有限状態機械(FSM)を実装する方法
2025-05-08 20:22
科学・技術この記事では、注文管理システムの状態遷移ロジックを有限状態機械(FSM)としてモデル化し、それをPostgreSQLで実装する手法を紹介しています。ユーザー定義の集約関数とトリガーを用いて、状態遷移の整合性を保ちながらイベントの蓄積と検証を実現。さらにウィンドウ関数を用いた分析も可能で、業務ロジックの一元化と同時に高度な分析が行える点が特徴です。
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LLMにおける「創発性」はなぜ起きるのか
2025-05-08 20:07
科学・技術大規模言語モデル(LLM)は、パラメータ数が増えると突然新たな能力を獲得する「創発性」を示すことがあります。これは自然界や機械学習の非線形性に起因すると考えられ、タスクを実現するのに必要な「ビット予算」が初めて十分になることで急に能力が発現するという仕組みです。数理的証明ではなく直感的な説明により、この現象の理解を深め、将来的には予測や制御につなげる可能性が探られています。
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拡張可能なブロック拡散型言語モデルBD3-LMの提案
2025-05-08 18:18
科学・技術BD3-LMは、従来のオートレグレッシブモデルと離散拡散モデルの長所を統合し、柔軟な長さのテキスト生成や並列生成を可能にする新しい言語モデルです。トークンのブロック単位で拡散を行い、自己回帰的に文脈を捉えることで、精度を維持しつつ生成速度を向上させます。学習時にはノイズ率の最適化により高い安定性と低パープレキシティを実現し、従来の拡散モデルの限界を克服しています。
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DNAに含まれる情報量をめぐる情報理論的考察
2025-05-08 17:42
科学・技術DNAにどれほどの情報が含まれているかという問いを出発点に、情報理論と分子生物学を横断的に探究した記事です。単純なビット換算から始まり、シャノン情報量やコルモゴロフ複雑性、さらには参照ゲノムの有無による圧縮効率の違いを検討し、DNAの「意味ある情報」の定義が多層的であることを明らかにします。また、非コーディング領域やレトロトランスポゾンの役割、進化と変異に対するDNAの冗長性を踏まえ、DNAが担う情報の実質的本質を「表現型コルモゴロフ複雑性」として提案しています。
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リザーバーサンプリングとは何か
2025-05-08 17:02
科学・技術リザーバーサンプリングは、データ総数が事前に分からない場合でも、公平にランダムサンプリングを行うアルゴリズムです。1件ずつ流れてくるデータから一定数をメモリ効率良く選ぶことができ、ログ収集などにも応用可能です。仕組みは、n番目の要素が選ばれる確率を1/nとすることで、すべてのデータに均等な選択機会を与えます。複数の要素を選ぶ場合も拡張可能です。
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フュージョンエナジーベースの紹介
2025-05-08 15:49
科学・技術Fusion Energy Baseは、融合エネルギーに関する情報を集約するプラットフォームとして、組織やサプライチェーン、雇用情報、関連する記事の配信などを提供しています。サイトはTriple Product Inc.によって運営され、利用規約のもとで2025年までのコンテンツがCC BY-NC 4.0の条件で提供されています。具体的な技術や研究の紹介はありませんが、業界関係者や関心のある一般ユーザー向けの情報拠点として機能しています。
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クラス不均衡学習と重み調整の探求
2025-05-08 13:41
科学・技術この記事では、クラス不均衡を伴う画像分類問題に対するクラス重み付けの効果について、理論と実験の両面から分析しています。一般的に用いられる「逆頻度による重み付け」が実際にはF1スコアの改善に寄与しない可能性があることを示し、代わりに問題固有の誤分類コストやトレードオフ曲線の形状を考慮した調整が望ましいと結論づけています。また、評価指標の選択がモデル性能の最適化に大きく影響することも実証しています。
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Dartのdart compileコマンドで多様な出力形式に対応
2025-05-08 13:15
科学・技術Dartのdart compileコマンドは、ネイティブ実行ファイル、AOT・JITスナップショット、Kernelモジュール、JavaScript、WebAssemblyなどへのコンパイルをサポートしており、クロスコンパイルや署名にも対応します。Dart 3.7.3以降では、dart2nativeなど旧コマンドを統合した形で提供され、簡潔なオプションで効率的な開発と配布が可能です。Web、CLI、組み込み用途まで幅広く対応する仕組みが整っています。