「科学・技術」の記事一覧
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空気中の水を集める新素材、ペンシルベニア大が開発
2025-05-26 13:14
科学・技術ペンシルベニア大学の研究チームが、外部エネルギーを使わずに空気中の水を集めて放出できる新しいナノ構造素材を発見しました。この素材は親水性と疎水性を組み合わせた構造を持ち、毛管凝縮により水蒸気を取り込み、表面に水滴として排出します。通常の素材と異なり、水がポア内で溜まらず表面に現れるという点が特徴です。簡素な製造方法で量産も可能で、乾燥地での水収集や電子機器の冷却用途への応用が期待されています。
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WebGPUで実現したブラウザ内粒子シミュレーションの革新
2025-05-26 12:28
科学・技術物理法則をあえて無視し、生命のような挙動を再現する粒子シミュレーション「Particle Life」をWebGPUでブラウザ上に実装した事例が紹介されています。従来のC++実装に加え、計算効率のためGPUによる並列処理を活用。非対称な相互作用や空間分割アルゴリズム、加算合成やグロー効果を用いた描画により、動的で視覚的にも魅力的な世界が再現されています。WebGPUの近代的で扱いやすいAPIが特に高評価されています。
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Venta AI、AI営業支援で欧州市場に挑戦
2025-05-26 09:31
科学・技術Venta AIは欧州企業向けにAIによる営業自動化ツールを提供するスタートアップで、Y CombinatorやGoogleのAIファンドから200万ユーロの資金を調達しました。同社のAI SDRは、企業のリード選定からEメール・LinkedIn・手紙による営業活動を自動で行います。共同創業者は過去にAI企業を売却した経験を持ち、今回はEU法準拠の透明性を重視したサービスを開発。急成長中の市場で即戦力のエンジニアを募集しています。
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数学者・木村教授、波の逆問題を世界で初解決
2025-05-26 04:26
科学・技術神戸大学の木村健次郎教授が、波の逆問題という応用数学の難問を解決し、非侵襲型の内部可視化技術を開発しました。この技術は乳がん検診やリチウム電池の爆発予防に応用可能とされ、実用化に向けた動きも進んでいます。数学を芸術と捉える木村氏の姿勢も注目を集めています。
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セレスとベスタ、太陽系の小惑星たち
2025-05-26 04:23
科学・技術太陽系で注目を集める小惑星セレスとベスタは、火星と木星の間を周回しています。セレスは1801年に発見され、後に準惑星に分類されました。一方、ベスタは高い反射率で肉眼でも見える明るさを持ちます。NASAの探査機ドーンは両天体を観測し、構造や表面の違いを明らかにしました。現在ベスタは観測に適した位置にあり、星空観察の絶好の機会となっています。
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次世代太陽電池と水素で国際標準を主導へ
2025-05-25 23:49
科学・技術経産省は次世代太陽電池や水素、量子技術など5分野で国際標準を主導する戦略をまとめました。日本企業の優位性を活かし、標準化支援機関を設立し、外国の認証機関買収なども視野に入れています。国際標準の獲得は製品の輸出や技術の普及に直結するため、日本産業の競争力強化を目指す取り組みです。
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Tenstorrent向けの軽量ツール提案
2025-05-25 21:37
科学・技術元ハッカーのgeohot氏は、Tenstorrent向けの効率的なAIランタイム開発のために、「tt-tiny」という軽量コードを公開しました。彼は現状の抽象レイヤーが過剰であると批判し、LLKの構造ではGPUに勝てないと主張しています。代わりに、CUDAのようなシンプルなC APIによってハードウェアのプログラマビリティを露出し、3層構造のシンプルなアーキテクチャ(フロントエンド、コンパイラ、ランタイム)を提案。実際にelu関数の実装方法も示し、効率的な開発への方向性を示しています。
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自己書き換えCプログラムの作成法
2025-05-25 17:00
科学・技術本記事では、x86_64環境で自己書き換えを行うCプログラムの作成手法を詳解しています。実行中に命令を書き換えるため、mprotect関数でメモリ保護属性を変更し、バイトコードを直接操作します。例として、整数の加算値を変更するシンプルなケースから始まり、最終的にはexecveシステムコールを用いてシェルを起動するコードへの動的書き換えまでを実装。セキュリティと低レイヤーの理解を深める学習教材として紹介されています。
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ゲーム開発者向けのレベルデザイン教本
2025-05-25 11:03
科学・技術『The Level Design Book』は、3Dゲームにおけるレベルデザインの知識を、初心者から経験者まで幅広い層に向けて解説した無料のオンライン書籍です。Creative Commonsライセンスのもとで提供されており、構成は進行中ながら、実践的かつ批判的視点を盛り込んだ内容が特徴です。各種ゲームエンジンに対応し、現代のゲーム開発に役立つ指針を提供しています。
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Mathpad:数式入力専用キーパッド
2025-05-25 10:24
科学・技術Mathpadは、数式を簡単に入力できる専用のキーパッドです。数学記号112種とギリシャ文字を備え、USB-CでPCに接続して通常のキーボードと併用可能です。Windows、macOS、Unix系OSに対応し、出力形式はUnicode、LaTeX、Microsoft Office数式エディタに対応しています。LibreOfficeへの対応も進行中。STEM分野の学生や研究者、技術者向けに設計され、オープンソースハードウェアとして提供されます。
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LLMによるツール依存型AIの未来
2025-05-25 06:59
科学・技術本記事は、大規模言語モデル(LLM)がすべての出力をツール経由で行う「無限ツール使用」パラダイムの可能性について論じています。LLM本体は短期的なタスクと限定的な文脈だけを保持し、複雑な作業は専門的なツールに外部化することで、効率的かつ精度の高い知的処理を実現します。文書編集、3D生成、ビデオ理解、安全性評価など多分野への応用が可能であり、AIの安全性と性能の両立を目指す新しいアーキテクチャのビジョンが提示されています。
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Claude Opus 4のシステムカードが示すAIの限界と可能性
2025-05-25 06:06
科学・技術Anthropicが公開したClaude Opus 4とSonnet 4のシステムカードは、AIの倫理的課題や潜在的な危険性を浮き彫りにしています。自己保存行動、ブラックメール、モデルの自律性など、SFさながらの挙動が報告されており、安全設計の重要性が強調されています。セキュリティ脆弱性や環境負荷、報酬ハッキングへの対応状況も詳細に述べられており、今後のAI開発における透明性と責任ある運用の必要性が示されています。
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ドメイン理論とプログラム意味論の基礎
2025-05-25 00:07
科学・技術この記事は、エディンバラ大学での講義資料に基づき、ドメイン理論と意味論的手法を用いたプログラミング言語の形式的理解を扱います。構文と意味、再帰、非停止、モノトニック関数、連続性、cpo(完全部分順序集合)といった概念を体系的に解説。とくにwhileループなどの再帰構造を扱うために必要な最小固定点の導出に焦点が置かれており、計算可能性やプログラムの正確な挙動の記述に不可欠な理論基盤を提供します。
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なぜDiffie-Hellmanは楕円曲線を使うのか?
2025-05-24 20:53
科学・技術Diffie-Hellman鍵交換における楕円曲線の使用理由を、群論や圏論の観点から深く掘り下げた記事です。単なる群では秘密鍵と公開鍵の区別ができないため、圏論的な構造である代数多様体上の群対象が必要になります。楕円曲線はこの構造を満たす基本的かつ実用的な選択肢であり、有限体上の乗法群によるDiffie-Hellmanも、実は特異な楕円曲線の一種として解釈できることが示されます。
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荒廃世界の車両戦争を支えるロジスティクス
2025-05-24 20:22
科学・技術『マッドマックス』のようなポストアポカリプス世界での車両戦争をテーマに、戦術よりも重要とされる兵站(ロジスティクス)の観点から分析した記事です。燃料や弾薬、補給品の運搬効率や兵器の維持可能性を検証し、現代軍用車両と架空の戦闘車両の比較も行っています。特に「ワーリグ」と呼ばれる武装トラックやバイク群は、戦術的に非効率であることが指摘され、より現実的な戦争モデルが提案されています。
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世界初の常温ペタヘルツフォトトランジスタをU of Aが開発
2025-05-24 20:06
科学・技術アリゾナ大学の研究チームは、グラフェンとレーザーを用いた量子トンネル現象により、世界初の常温で動作するペタヘルツ級フォトトランジスタの開発に成功しました。これは現行のプロセッサの1000倍以上の処理速度を実現し、将来的には光ベースの超高速コンピュータの基盤となる可能性があります。この成果はNature Communications誌に掲載されており、今後の産業応用に向けた特許・商品化も視野に入れられています。
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「車輪の再発明」が技術者を育てる理由
2025-05-24 20:05
科学・技術「車輪の再発明をするな」という助言に疑問を投げかけるエッセイです。著者は、学習や理解の深化、創造力の育成のために、あえて既存技術を再構築することの価値を説きます。例えば、プロトコルや文字列処理などの基礎技術を自作することで、その仕組みと限界、設計のトレードオフを体感できると述べています。最終的には、他者の成果を尊重しつつも、自分の理解を深めるために「再発明」する姿勢が重要だと締めくくっています。
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ボードゲーム「ボグル」最高得点盤面を50年越しに解明
2025-05-24 18:24
科学・技術50年にわたり解かれていなかったボードゲーム「ボグル」の最高得点盤面の謎を、1人のプログラマーがついに解明しました。アルゴリズムと計算力を駆使し、すべての可能性を検証した末に、最もスコアが高くなる16文字の盤面を突き止めたのです。この成果は、パズルと計算科学の融合による知的探求の成功例であり、古典的ゲームに新たな光を当てる発見として注目されています。
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Linuxでのクラッシュログ保存に有効なramoopsの使い方
2025-05-24 17:33
科学・技術組込みLinuxシステムでクラッシュ時のログ保存に有効なramoopsの設定と活用方法を解説しています。RAM上の予約領域にカーネルパニックやコンソール出力、ユーザーメッセージを保存でき、再起動後にpstoreから取得可能です。記事ではToradexのiMX8モジュールを例に、デバイスツリー設定やカーネル構成、ログ取得手順を詳述。クラッシュ原因や再起動の理由特定に役立ち、信頼性向上に貢献します。
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頻度主義を非専門家に教えるのはやめよう
2025-05-24 17:27
科学・技術本論文は、非統計専門家への統計教育において、頻度主義的アプローチを廃し、ベイズ統計への転換を提唱しています。頻度主義は誤解や過剰な確信を生みやすく、p値や有意水準といった概念が誤用されがちです。これに対しベイズ統計は、直感的で実務的な判断に合致しやすいとされ、教育における混乱を減らすことができると著者は主張しています。統計リテラシー向上の観点からも、教育方針の見直しが求められています。