「文化・芸術」の記事一覧
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言語が文化を映す:雪から象まで、語彙の偏りが示す世界観
2025-05-19 06:23
文化・芸術言語が文化や環境に影響されるという通説は長らく疑問視されてきましたが、新たな大規模計算分析により、その正当性が再び注目されています。600以上の言語と英語の双方向辞書を調査した研究では、イヌイット語が雪に多くの語を持つように、サモア語では溶岩、スコットランドではオートミールといった文化的に重要な概念に対し、多様な語彙が存在することが明らかになりました。この研究は、言語が人々の関心や環境を反映する重要な手がかりであることを示しています。
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ナダールの肖像写真に見る19世紀の人間模様
2025-05-19 00:31
文化・芸術19世紀フランスの著名写真家ナダールの肖像写真を通じて、当時の文化人たちの姿が描かれています。ヴィクトル・ユーゴー、マネ、デュマ、サラ・ベルナールなどの写真は、その人となりを映し出し、肖像写真の芸術性を感じさせます。また、日本から訪れた使節団やベルギー王レオポルド2世なども取り上げられ、歴史的背景と人物描写が融合した内容です。
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ウェス・アンダーソン作品とスターたちがカンヌを彩る
2025-05-18 21:47
文化・芸術映画監督ウェス・アンダーソンが新作『The Phoenician Scheme』をカンヌ映画祭に出品し、ベニチオ・デル・トロら豪華キャストと共に登場しました。本作は型破りな実業家と疎遠な娘の関係を描き、アンダーソンの義父の実話に着想を得ています。レッドカーペットにはハリウッドのスターたちが集結し、華やかな雰囲気に包まれました。また、ナイジェリア映画が初めて公式部門に選出されるなど、グローバルな映画文化の広がりも注目されました。
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三社祭、東京で盛大に開催
2025-05-18 21:36
文化・芸術東京浅草で毎年5月に開催される三社祭が最終日を迎え、多くの参加者が神輿を担いで街を練り歩きました。三社祭は、江戸時代から続く浅草神社の例大祭で、地域の伝統文化と絆を象徴する行事です。国内外から観光客も集まり、熱気あふれる雰囲気の中で伝統行事が盛大に行われました。地元住民と観光客が一体となって盛り上がる、東京を代表する祭りです。
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ロンドン各地に残る水汲みポンプの歴史と逸話
2025-05-18 20:59
文化・芸術ロンドンには、19世紀以前の生活の名残として多くの水汲みポンプが現存しています。各地のポンプにはそれぞれにまつわる逸話があり、特にソーホーのブロード・ストリート・ポンプはコレラの原因を突き止めた医師ジョン・スノウによって有名になりました。また、アルドゲイトやコーンヒルなどのポンプは、街の歴史や都市伝説、芸術的な装飾を今に伝えています。現代では水が出ないものの、歴史的モニュメントとして注目されています。
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三社祭、雨の中でも活気に満ちた祭りに
2025-05-18 15:58
文化・芸術東京・浅草神社で行われた三社祭が、雨天にもかかわらず熱気に包まれました。およそ100基の神輿が町内を練り歩き、観客は傘を差しながら声援を送りました。三社祭は江戸時代に起源を持ち、地域の絆と信仰を象徴する祭りとして知られています。伝統衣装を着た担ぎ手たちが威勢よく神輿を担ぎ、地域の誇りと活気を改めて示しました。
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『奇々怪界』とタイトーのスプライト重視ハード
2025-05-18 14:55
文化・芸術1986年に登場したタイトーのアーケードゲーム『奇々怪界』は、神道をテーマにしたシューティングゲームで、のちにナツメの『ぽっぷんタンク』として知られるシリーズの原点です。操作性には課題があるものの、独特の和風ビジュアルとBGMが魅力です。ハード面ではYM2203音源やZ80 CPU、タイトー独自のスプライト中心設計などが特徴で、当時としては高性能な構成。背景にタイルマップを使わない設計や、微細なアナログ信号の痕跡も分析されています。
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オーストリアのJJ、ユーロビジョンで感動の初優勝
2025-05-18 01:50
文化・芸術オーストリアのカウンターテナー、JJことヨハネス・ピエッチがユーロビジョンで優勝し、同国に11年ぶりの栄冠をもたらしました。オペラとポップを融合させた『Wasted Love』で観客の心をつかみ、イスラエルやエストニアを抑えて頂点に。JJは自身の内面と愛への思いを表現したと語り、クラシックと現代音楽を結びつける新たな可能性を示しました。LGBTQコミュニティへの言及も話題となっています。
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ペドロ・パスカル、トランプ政権に反対する姿勢を表明
2025-05-17 20:39
文化・芸術俳優ペドロ・パスカルは、カンヌ映画祭でトランプ大統領の移民政策に対し公然と反対の意を表明しました。自身もチリからの移民であると語り、映画業界に政治的発言の勇気を持つよう呼びかけました。彼が出演する映画『エディントン』は、パンデミック中のアメリカ社会を風刺的に描いており、カンヌでは政治色の強い作品が多く話題となっています。
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魔法陣のようなプログラミング言語「Mystical」
2025-05-17 18:21
文化・芸術PostScriptプログラムを魔法陣のように視覚化する言語「Mystical」が紹介されました。コマンドやデータ構造を円環や記号で表現し、構文の入れ子も円の中で再現されます。独自のシジル(記号)による視覚表現で、命令の意味や構造を直感的に理解可能にする設計が特徴です。実行系は未実装ながら、今後の創作表現や教育用途にも活用が期待されるユニークなアプローチです。
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Withnail and I──喪失と友情の記録
2025-05-17 16:59
文化・芸術映画『Withnail and I』の脚本家ブルース・ロビンソンが、本作の元となった友人ヴィヴィアンとの思い出を綴ったエッセイ。演技も執筆も中途半端だったヴィヴは、存在そのものが魅力的で、周囲を惹きつけてやまない人物だった。度重なる飲酒、保守党入党の逸話、ワイン試飲会への乱入──破天荒な青春の記録が、やがて喉頭がんで声を失いながらも笑い続けたヴィヴの死をもって締めくくられる。
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琵琶湖疏水が初の近代国家的インフラとして国宝に
2025-05-17 16:36
文化・芸術130年以上前に建設された琵琶湖疏水が、日本で初めて近代土木施設として国宝に指定される見通しです。南禅寺の水路閣や蹴上インクラインなど計5地点が対象で、明治時代に日本人技術者の手で設計・建設された点が評価されています。文化的価値に加え、現在も京都の水道や観光に活用されており、京都復興に貢献した象徴的なインフラとされています。
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PowerPoint誕生秘話:1980年代のスタートアップの現実
2025-05-17 09:07
文化・芸術PowerPointの共同開発者ロバート・ガスキンズが語る1980年代のスタートアップ経営体験記。インターネットのない時代、フィードバックや販売まで長い準備が必要で、競合も多く資金難との戦いだった。マイクロソフトによる買収後もWindows版の開発は予想以上に困難を極めた。物理メディアや雑誌広告中心の販促、出版事業の赤字など、現在では考えられない苦労が語られる。ガスキンズは現代のウェブ中心の開発環境を羨ましく思うと語っている。
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フィッツジェラルドが描いた“何も起きない”情熱
2025-05-16 23:22
文化・芸術F・スコット・フィッツジェラルドは、思春期のキスや叶わぬ恋など、欲望の手前にある感情を丹念に描いた作家です。『グレート・ギャツビー』はその代表作で、階級・性・夢の崩壊といったテーマを、美しく緻密な筆致で描きました。著者アンドリュー・デルバンコは、フィッツジェラルドの作品が、失われる直前の瞬間に焦点を当てることにより、人間の根源的な憧れや喪失を物語っていると論じています。
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「書体についての注釈」が語る活字文化の深層
2025-05-16 21:52
文化・芸術ジョルジュ・ルフェーヴルの書籍に付された「書体についての注釈」を端緒に、印刷書体が読書体験に与える影響を論じるエッセイです。W.A.ドウィギンズがデザインしたElectraというフォントは歴史的文脈に属さず、読者に流動性や力強さを印象づけるとされています。これらの注釈は、書物制作に関わる職人技や視覚的選択の重要性を読者に意識させる試みであり、デジタル時代における書体の意義を再確認させます。
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2024年の世界映画観客数が8.8%減少
2025-05-16 21:09
文化・芸術2024年の世界の映画館入場者数は前年比8.8%減となり、パンデミック以降初の減少を記録しました。特に中国での来場者数が22%減と大きな影響を与えました。欧州は比較的堅調で、2019年比75%の水準に達しています。米国映画は依然として市場の主流を占める一方、欧州作品も市場シェア33%を記録し、過去10年で最高の結果となりました。
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ガザ情勢に沈黙する映画業界へ抗議 著名人が声明に署名
2025-05-16 21:08
文化・芸術ホアキン・フェニックス、ペドロ・パスカルらハリウッドの著名人370人以上が、ガザ情勢に対する映画業界の沈黙を批判する声明に署名しました。声明では、イスラエルの空爆で死亡した写真家ファティマ・ハッスーナ氏への追悼も述べられています。カンヌ映画祭では審査員長ジュリエット・ビノシュも署名に加わるなど、抗議の動きが広がっています。声明はイスラエルによる「ジェノサイド」と表現しています。
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エラスムスと現代AIに共通する言葉の自動生成
2025-05-16 20:39
文化・芸術ルネサンス期の思想家エラスムスが描く文体至上主義者ノソポヌスの姿は、現代におけるAIによるテキスト生成と重なるものがあります。16世紀の人文学教育は、手紙や演説を迅速かつ雄弁に書く力を養い、今日のLLMと同様に「訓練された言語の再構成」に基づいていました。しかし、ラブレーはその自動化された文体が現実との対話を妨げると批判し、人間的な対話や真のコミュニケーションの意義を問い直しています。
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テレンス・マリックと映画の美の限界
2025-05-16 18:23
文化・芸術テレンス・マリックは、沈黙と美学を貫くアメリカ映画界の異端的存在です。代表作『Badlands』や『Days of Heaven』では美と現実の交錯を描き、戦争映画『The Thin Red Line』では自然の中で人間の存在を問いかけました。後年の作品では形式美が極端化し、ストーリー性が希薄になったとの批判もありますが、『A Hidden Life』で再び人間の倫理に回帰。映画とは何か、美とは何かを問い続ける稀有な映画作家です。
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ボブ・アブラハミアンとシカゴ・スウィートソウルの遺産
2025-05-16 17:21
文化・芸術ボブ・アブラハミアンは、シカゴのスウィートソウル音楽の収集家・ラジオホストとして知られ、35,000点以上の録音や資料を遺しました。彼のラジオ番組『Sitting in the Park』は、知られざるアーティストに光を当て、地域音楽史の保存に貢献しました。このコレクションは現在スタックス博物館で保存され、貴重な音源やインタビュー、写真などが一般公開されています。彼の情熱が音楽文化の記憶を未来へとつなげています。