「プログラミング言語」の記事一覧
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PL/Iコンパイラ「Iron Spring」がバージョン1.4.0を公開
2025-05-26 21:19
IT・ネットIron Spring Softwareは、LinuxおよびOS/2に対応したPL/I言語のクロスプラットフォームコンパイラ「Iron Spring PL/I」のバージョン1.4.0を発表。今回の更新では、配列式のサポートやコード構造の視認性向上のための-lnオプション追加が行われ、利便性が向上。古いメインフレーム言語であるPL/Iの現代的な開発環境を提供する数少ないツールとして注目されている。
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ドメイン理論とプログラム意味論の基礎
2025-05-25 00:07
科学・技術この記事は、エディンバラ大学での講義資料に基づき、ドメイン理論と意味論的手法を用いたプログラミング言語の形式的理解を扱います。構文と意味、再帰、非停止、モノトニック関数、連続性、cpo(完全部分順序集合)といった概念を体系的に解説。とくにwhileループなどの再帰構造を扱うために必要な最小固定点の導出に焦点が置かれており、計算可能性やプログラムの正確な挙動の記述に不可欠な理論基盤を提供します。
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なぜ代数的効果が注目されるのか
2025-05-24 03:00
科学・技術この記事では、Anteをはじめとする先進的なプログラミング言語で注目されている「代数的効果(effect handlers)」の利点を詳述しています。例外や非同期処理、コルーチンなど多様な制御構造をライブラリとして実装可能にし、関数の純粋性や依存性注入、グローバルの代替手段としても活用できます。より柔軟で安全な設計が可能になることから、今後主流になる可能性が高いとされています。
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環境汚染物質を発見する新言語MassQLを開発
2025-05-23 01:28
科学・技術カリフォルニア大学リバーサイド校の研究者らが開発したMassQLは、生物学者や化学者がプログラミング知識なしに大量の質量分析データから有害物質を発見できる新たな言語です。すでに公的に収集された水質データから、従来未発見だった有機リン系化合物の検出に成功。MassQLは環境や人体、医薬品研究など多様な応用が可能で、専門家の協力のもと設計されました。今後の環境・健康分野での活用が期待されています。
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JPLにおけるLispの栄光と終焉
2025-05-22 08:31
科学・技術NASAのジェット推進研究所(JPL)におけるLisp言語の活用と、その終焉に至る経緯を個人的視点から回顧した記事です。1980年代から90年代にかけて、Marsローバー計画やDeep Space 1のリモートエージェントなど、先進的なプロジェクトでLispが活用されていましたが、管理上の軋轢や保守性の課題、業界標準との乖離などにより、次第に排除されていきました。Lispの有効性を訴えつつも、組織の現実に直面する開発者の苦悩が描かれています。
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ディクストラによるAda言語への辛辣な批評
2025-05-22 00:56
文化・芸術プログラミング言語Adaの策定過程で提出された4案(赤・緑・青・黄)に対し、著名な計算機科学者ディクストラが行った辛辣なレビューが紹介されています。彼は各提案を「技術的に無能」「複雑すぎる」「救いようがない混乱」などと厳しく評し、Ada自体についても「安全保障をこの言語に依存するなど恐ろしい」と述べました。批評は痛烈ですが、設計哲学や言語設計の重要性を浮き彫りにする内容です。
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Red言語:1MBで完結するフルスタックプログラミング環境
2025-05-20 18:14
科学・技術Redは、1MB以下の単一実行ファイルで動作する軽量かつ高機能なプログラミング言語です。関数型、命令型、反応型、シンボリックなど多様なスタイルを統合し、GUIや並列処理、システムプログラミングにも対応。PEGパーサーやREPL、VS Codeプラグインも備え、自己記述的なメタ言語としての性質も持ちます。クロスプラットフォーム開発を意識し、依存のないビルドが可能なため、幅広い分野で柔軟に利用できます。
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良質な型エラーメッセージのための型推論設計
2025-05-19 18:22
科学・技術型推論はしばしば分かりづらい型エラーメッセージを生むとされますが、それは多くの言語が推論の設計において使いやすさよりも他の目標を優先してきたためです。PolySubMLは、グローバルな型推論と高度な多相性を備えつつ、ユーザーがエラーの原因を明確に理解できるよう設計されています。本記事では、その設計方針と、なぜ従来の言語が質の高いエラーメッセージを提供できないのかを丁寧に解説しています。
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FreeBASICとは何か:QuickBASIC互換の無料コンパイラ
2025-05-17 22:47
IT・ネットFreeBASICは、Windows、Linux、DOSで動作するGPLライセンスの無料コンパイラです。QuickBASICとの高い互換性を持ち、QBモードでは多くの旧来プログラムを修正なしで動作させることが可能です。C言語ライブラリを活用でき、クロスプラットフォーム開発にも対応。Cスタイルのプリプロセッサやオブジェクト指向、メタプログラミングもサポートし、モダンな開発に対応した拡張機能が充実しています。多くの外部ライブラリとも連携可能です。
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ClojureScript 1.12.42がリリース、Java 21と独自Closure Libraryに移行
2025-05-16 20:20
科学・技術ClojureScriptの新バージョン1.12.42がリリースされ、Google Closure Compilerの更新に伴いJava 21が必須となりました。また、Googleが開発を停止したClosure Libraryに代わり、Clojureコミュニティが保守するフォーク版が導入されました。これにより、以前の安定性とライブラリ互換性が復元され、古いClojureScriptライブラリの再利用が可能となります。Webアプリ以外にも汎用的なJavaScript開発に対応する強力な選択肢として位置づけられています。
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Rustコンパイラのエラーメッセージ進化史
2025-05-16 13:22
IT・ネットRustコンパイラのエラーメッセージがどのように進化してきたかを、バージョン1.0から現在までの安定版で比較・可視化した記事です。カラフルな表示や具体的な説明、エラースパンの改善など、ユーザー体験向上のために多くの改良が施されてきたことが紹介されています。これらは自動生成ではなく、長年にわたる設計、実装、レビュー、テストの積み重ねであり、Rust開発コミュニティの努力の結晶とされています。
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Java誕生30年、ジェームズ・ゴスリングの軌跡
2025-05-16 13:05
科学・技術Java誕生30周年を迎えるにあたり、その生みの親ジェームズ・ゴスリングの歩みが改めて注目されています。貧しい少年時代から独学でプログラミングを習得し、Sun MicrosystemsでJavaを開発。オブジェクト指向とクロスプラットフォームを実現するJavaは、今なお多くのシステムを支え続けています。ゴスリングはAIの誇大広告に懐疑的で、実用主義と倫理を重視した開発姿勢を貫いてきました。
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Luaに型を導入するTeal言語とは
2025-05-16 00:40
科学・技術TealはLuaの方言として開発された静的型付き言語で、TypeScriptがJavaScriptに果たす役割に類似した位置づけです。関数や配列、ジェネリクスなどの型注釈が可能で、.tlファイルを.luaにコンパイルする仕組みを採用。CyanというビルドツールやVisual Studio Code拡張などの支援ツールも整備されています。Luaの軽量性を保ちつつ、大規模開発を支援する設計が特徴です。
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Easel:簡単にマルチプレイヤーゲームを作れる言語
2025-05-14 10:31
科学・技術Easelは、シングルプレイヤーと同じ手軽さでマルチプレイヤーゲームが作れる2Dゲーム用のプログラミング言語です。複雑なネットワーク処理を自動化し、自然なコード構造やリアクティブな記述を可能にすることで、初心者にも扱いやすく、経験者にも効率的な開発体験を提供します。また、オンラインエディタやホスティング機能も備えており、すぐにゲームを公開可能です。
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プログラミング言語観を変えた革新的な記事リスト
2025-05-14 04:19
科学・技術筆者がプログラミング言語(PL)やコンパイラ設計に関する理解を一変させたブログ記事や論文のリストを紹介。ガーベジコレクション、SSA形式、正規表現エンジン、Z3の活用法、e-graph最適化など多岐にわたる内容が含まれ、PLの理解を深める貴重な情報源となっています。特に理論と実装の架け橋を提供する例が豊富です。
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Odin言語はC開発者に最適な設計思想を継承
2025-05-13 08:35
科学・技術OdinはC言語のベストプラクティスを取り入れたシンプルで効率的なプログラミング言語です。特にカスタムアロケータや一時メモリアロケータ、追跡アロケータの機能が標準で組み込まれており、Cでのゲーム開発に近いスタイルが自然に再現できます。Odinはゼロ初期化を基本とし、SoA構造のサポートや指定初期化にも対応。C++より簡素ながら、現代的な機能を備えています。
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なぜオブジェクト・ケイパビリティ言語が普及しないのか?
2025-05-11 18:57
IT・ネットソフトウェアのサプライチェーン攻撃が増加する中、ライブラリの権限を制限できるオブジェクト・ケイパビリティ(OC)型言語の導入が注目されています。しかし既存のプログラミング言語との互換性や標準ライブラリの再設計、サンドボックス設計の複雑さ、Spectreなどの副作用が大きな課題となっています。JavaのSecurityManagerやChromeのMojoなど、実装例はあるものの、開発者の負担が大きく普及に至っていません。
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Rustのドキュメントはなぜ重要か──四象限モデルで読み解く
2025-05-11 12:08
IT・ネットRust言語のエコシステムにおけるドキュメントの質と課題について、多面的に検討したレビュー記事です。チュートリアル、ハウツー、リファレンス、説明という4象限モデルに基づき、包括性・発見性・哲学性・親しみやすさの観点からRust主要ライブラリのドキュメントを評価。良質なドキュメントは学習と普及を支え、開発者体験の向上に不可欠であることが強調されています。
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ZigはCの理想的な後継言語か?
2025-05-11 10:15
IT・ネットZigは、明示的な制御と高性能を重視したシステムプログラミング言語であり、「Cの代替」として注目されています。本記事ではZigの設計思想、エラーハンドリング、コンパイル時メタプログラミング、ビルドシステムなどを評価。利点として優れたクロスコンパイル機能が挙げられますが、安全性の扱いや言語仕様の複雑さ、IDEとの相性、未完の機能など課題も多いと指摘。特にRustやOdinとの比較では、必ずしも明確な優位性があるとは言えません。
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Go開発者がGoogleを退職、今後の展望とは
2025-05-11 03:01
IT・ネットGo言語の開発に長年携わった著名な開発者が、19年間勤めたGoogleを退職したことを明かしました。彼は初期からGoプロジェクトに関与し、コンパイラ整備やビルドツールの統合、さらには型パラメータ(ジェネリクス)の導入にも貢献しました。近年のGoogleおよびGoの方向性との不一致から退職を決断したと述べ、今後もGoの発展には関わり続けたい意向を示しています。
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Codigoでわかる最新プログラミング言語トレンド
2025-05-10 07:39
IT・ネットCodigoは、各種プログラミング言語の最新動向や人気指標を網羅的に集約した情報プラットフォームです。言語別ニュース、PyPL・TIOBEインデックス、GitHubでの活動量などを可視化しており、RustやPython、Goなどの言語が人気を集めています。開発者が言語選定や技術キャッチアップに活用できるよう設計されています。
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Swift 6.2の注目新機能まとめ
2025-05-09 20:20
科学・技術Swift 6.2は、言語機能と並列処理の大幅な強化が特徴です。@MainActorの自動適用により、UI中心の開発では明示的な並列処理記述が不要に。また、バックトレースやタスク名のサポート、文字列補間でのデフォルト値指定、メソッドのキーパス対応、weak letの導入など、開発効率とコードの明瞭性が大幅に向上しました。非同期処理に関する安全性の向上も進み、Swiftの習得ハードルを下げる工夫が多数含まれています。
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Odin:Cに代わる実用的なシステム言語
2025-05-09 18:01
科学・技術Odinは、C言語に代わる実用的なシステムプログラミング言語として設計された、シンプルかつ高速な言語です。SOA対応や動的配列、複素数・ベクトル・行列など豊富な組み込み型を提供しつつ、手動メモリ管理の制御性も維持。エラーハンドリングはGo風のマルチリターン方式を採用しています。EmberGenなどグラフィック系ツールでの実績もあり、ZigやJaiとの比較でも独自の立ち位置を示しています。
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C++の問題から見えるRustの強み
2025-05-06 17:51
科学・技術長年C++を使ってきた筆者は、Matt Godboltの講演を通じて、Rustがいかにコードの安全性と可読性を高めているかに気付きました。C++では型安全性を保つために多くの工夫が必要でしたが、Rustではコンパイラが間違いを事前に検知し、安全なAPI設計を自然に促します。特に値の型制限やエラーハンドリング、コンパイル時チェックによって、実行時のバグや混乱を未然に防ぐ設計がされています。Rustは単なるメモリ安全性以上の利点を持つ言語です。
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Schemeで学ぶ強力なマクロの書き方
2025-05-05 06:07
科学・技術この記事は、Scheme言語における強力なマクロの構築方法を詳しく解説した技術ドキュメントです。特にhygiene(衛生性)と呼ばれる仕組みにより、Schemeのマクロは他の言語と比較して衝突のない安全なコード展開が可能で、抽象構文を自作する強力な手段となります。実際の例として、変数のインクリメントやデバッグ用のtrace-let、ベクタへのアクセスなどのマクロ定義が紹介されています。EmacsとChez Schemeを使った開発環境の構築手順も含まれており、学習者が実際に手を動かしながらマクロ設計の力を身につけられる構成になっています。
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Schemeで学ぶ強力なマクロの書き方
2025-05-05 06:07
科学・技術この記事は、Scheme言語における強力なマクロの構築方法を詳しく解説した技術ドキュメントです。特にhygiene(衛生性)と呼ばれる仕組みにより、Schemeのマクロは他の言語と比較して衝突のない安全なコード展開が可能で、抽象構文を自作する強力な手段となります。実際の例として、変数のインクリメントやデバッグ用のtrace-let、ベクタへのアクセスなどのマクロ定義が紹介されています。EmacsとChez Schemeを使った開発環境の構築手順も含まれており、学習者が実際に手を動かしながらマクロ設計の力を身につけられる構成になっています。
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Pascalとその派生言語の歴史をたどる技術アーカイブ
2025-05-04 01:27
文化・芸術Wirth系言語の影響を受けたPascalやModula、Oberonなどの歴史や開発背景を網羅した個人技術アーカイブが公開されています。UCSD PascalからDelphi、FreePascalに至るまで、教育・組込み・PC向けの多様な実装が紹介され、資料やソースコードも多数収録。Pascalの発展とその思想の系譜を辿る上で貴重なリソースです。
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Rustでのメモリ管理との格闘
2025-05-03 21:01
科学・技術Rustのメモリ管理に関する連載の第5回では、所有権と借用による制約を克服するための実践的な工夫が紹介されています。forループでVecを直接消費することで値が移動し、以降使用できなくなる例や、メソッド呼び出しと借用ルールの関係、また所有権を保持したまま安全に複数回アクセスする方法として、クローン、再借用、コード構造の工夫などが議論されます。Rustの安全性と制約のバランスについての深い理解が得られます。
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C++26で広がるconstexpr対応:標準ライブラリの進化
2025-05-01 18:36
科学・技術C++26では、標準ライブラリにおけるconstexpr対応が大幅に進展します。従来の制限を超え、stable_sortやuninitialized系のメモリアルゴリズム、<cmath>、<complex>の関数、さらには多くのコンテナがコンパイル時に使用可能となります。constexpr化により、より効率的で信頼性の高いコードが書けるようになり、静的解析や高速起動などの恩恵が広がります。本記事はその主な提案と影響をわかりやすく紹介しています。