「ソフトウェア設計」の記事一覧
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設計圧力とソフトウェアアーキテクチャの迷い
2025-05-25 13:51
IT・ネットこの記事は、PyCon US 2025での講演内容をもとに、ソフトウェア設計における違和感や設計上の圧力について語っています。プロジェクトが進行するにつれアーキテクチャが歪む原因や、適切なデータモデルとオブジェクトモデルの乖離、テスト容易性との関係など、数多くの参考資料とともに紹介。RustやDDD、Sans I/Oなど多様な視点も取り上げ、実務経験に根ざした設計の原則と判断軸を提示しています。
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DIフレームワークは本当に必要か?
2025-05-25 07:41
IT・ネットこの記事では、Go言語における依存性注入(DI)の基本概念を解説し、DIフレームワークを使わない手法の利点を紹介しています。フレームワークによる依存関係の隠蔽やデバッグの難しさに対し、明示的な関数呼び出しによる構成が、可読性・保守性・型安全性の面で優れていると主張しています。UberのdigやGoogleのwireのようなDIツールに対しても、それぞれの利点と課題を検討。最終的には、Goのシンプルな設計哲学に則ったコード構成が推奨されています。
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なぜ代数的効果が注目されるのか
2025-05-24 03:00
科学・技術この記事では、Anteをはじめとする先進的なプログラミング言語で注目されている「代数的効果(effect handlers)」の利点を詳述しています。例外や非同期処理、コルーチンなど多様な制御構造をライブラリとして実装可能にし、関数の純粋性や依存性注入、グローバルの代替手段としても活用できます。より柔軟で安全な設計が可能になることから、今後主流になる可能性が高いとされています。
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Rustでunwrap()を使ってもよい理由
2025-05-18 22:41
科学・技術Rustでのunwrap()使用に対する誤解を解く記事です。筆者はunwrap()がすべて悪いわけではなく、テストコードや明確なバグの指標として使う場面では妥当であると主張。unwrap()の使いどころやパニックとの関係、ランタイム不変条件の扱い、コンパイル時検証とのバランスなどを例とともに解説しています。初心者向けの警告と、上級者向けの柔軟な設計の狭間にある文化的混乱を丁寧に整理しています。
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なぜ現代のPCは遅く感じるのか?
2025-05-13 12:10
IT・ネットJulio Merino氏は、旧型PCと最新PCのアプリ起動速度の比較動画を投稿し、現代のUI遅延問題を指摘した。旧型PCでは即座に起動したアプリも、現代の高性能PCでは明らかな遅延が見られる。原因はElectronなどのフレームワークやパフォーマンスを軽視した設計思想にあるとし、SSDの恩恵すら無駄になっていると警鐘を鳴らす。便利になったはずのPCがなぜ基本動作で後退しているのかを考察する記事。
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Google勤務で学んだ複雑系の理解と対処法
2025-05-13 09:35
科学・技術Googleでの経験をもとに、複雑なシステムの特徴とそれに対応するための実践的アプローチを紹介。複雑系とは、予測困難な挙動や遅延効果、局所最適が全体に悪影響を及ぼす非線形性を持つシステムを指す。対応策として、可逆性の確保、適切なメトリクス設計、シミュレーション、観測性の向上、MLの活用、チーム協働などが紹介されている。規模ではなく性質で複雑さを見極めることが重要と述べる。
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なぜオブジェクト・ケイパビリティ言語が普及しないのか?
2025-05-11 18:57
IT・ネットソフトウェアのサプライチェーン攻撃が増加する中、ライブラリの権限を制限できるオブジェクト・ケイパビリティ(OC)型言語の導入が注目されています。しかし既存のプログラミング言語との互換性や標準ライブラリの再設計、サンドボックス設計の複雑さ、Spectreなどの副作用が大きな課題となっています。JavaのSecurityManagerやChromeのMojoなど、実装例はあるものの、開発者の負担が大きく普及に至っていません。
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Rustの依存関係がもたらす課題とジレンマ
2025-05-09 09:11
IT・ネットRustは安全性と高性能を兼ね備えた言語として人気を集めていますが、依存関係の管理に課題もあります。著者はdotenvのような小さな非保守パッケージの影響や、tokioのような巨大な依存がもたらすコード量の膨張に懸念を抱き、自身の1000行程度のコードが360万行の依存コードに包まれる状況を問題視。標準ライブラリへの拡張や依存コードの可視化といった改善が必要だと提言しています。
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ソフトウェア膨張の危険性とその克服法
2025-05-06 23:33
科学・技術本記事では、現代のソフトウェアが抱える「膨張(bloat)」の問題と、それによるセキュリティ上の脆弱性を論じています。ソフトウェアが過剰に複雑化し、多数の外部依存を抱える現状は、セキュリティリスクを高めています。著者は、ソフトウェアの品質を高めるにはシンプルさと依存関係の最小化が不可欠であり、EUによる新たな法規制の必要性も強調しています。最後に、軽量な画像共有アプリ「Trifecta」の開発を通じ、実用的かつ安全な小規模ソフトウェア開発の可能性を提案しています。